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[思心]マスコミの品格~中田英寿を通して~3

 心
~我おもう ゆえに~


不定期にお届けするエッセイです。
単発的に書いた論文とかテーマに絞った雑談とか。

今回のテーマ
マスコミの品格
~中田英寿を通して~ 3


2年前、前身のブログで書いたものを今一度まとめ直し、加筆、修正してアップします。
いまだにブームらしい「○○の品格」に乗っかります。

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闘い抜いたブラジル戦の後、
ピッチ上で大の字になる中田英寿を、
ある芸能人達は自身の司会する番組でこう吐き捨てた。

「みっともない」

「日本の恥」

国民の期待を一身に背負い闘い抜いた男に対し、
大衆に向かって発せられた耳を疑うような非難の言葉。
そんな声がテレビという影響力ある媒体を通し、やがて一部の国民にすり込まれてゆく。
テレビという魔法によって。

思えばテレビしかり、新聞、ラジオ、ネットもそう。
媒体への信頼度によって、その報道、その発言は
メディアに触れる者に大きな影響を与える。

トルシエジャパンの際に日韓ワールドカップ本戦の代表から漏れた中村俊輔。
当時の怪我の状態、メンタル、戦力として他の選手と相対的に見る目。
それら全てを棚に上げ、「代表落選」という部分だけをマスコミは大きく取り上げた。
中村俊輔への同情を誘うかのような記事が連日躍る。

中村俊輔の落選は日本サッカー協会、マスコミ、特にスポーツ新聞などは
誰もが知っている格好のネームバリューがもう使えないとあって困惑したことだろう。
そしてそれは「俊輔落選」の事実から一転、スキャンダラスな物へと変化する。

「監督との確執」「俊輔の人気に対するトルシエの嫉妬」。

監督に選考の疑問を投げかける記事が増えはじめた。
もはやサッカーの話から脱線し、ワールドカップホスト国とは思えない報道が続く。
その根底には記者と犬猿の仲にあったトルシエ監督へのあてつけが見え隠れした。

いや、実は俊輔とトルシエの間には本当に確執があったのかもしれない。
だが、たとえ事実だったとしても、
「中村俊輔」という名前だけでサッカー日本代表を報道し、
ファンタジスタという使い心地の良い言葉で見ている者を惑わせ、
本質である「闘い」まで触れようとはしない。
そうしたマスコミの報道が、本来あるべき報道だといえるだろうか。

どこかで何かがズレてしまった報道姿勢。
それは、ジーコ監督のもと船出した日本代表、
特に選手たちの軸となった中田に向けられることとなる。
海外組の中田は国内組との連携に苦しみ、やがて孤立することになる。
次第に現場監督中田英寿に対する非難の声が増え始めたのだった。
もちろん、中田本人はそんな外野の話など聞く耳を持たなかっただろう。
ただ、「自分のサッカー」だけに集中していた。
なぜなら日韓W杯が終わった頃から、
彼の中でドイツワールドカップはすでに始まっていたのだから……。

少々話がそれるが、野球世界一決定戦のWBC開催が決まり、
日本代表チームのリーダー的存在だったイチローは、
チーム、そして国民を鼓舞するため、積極的にマスコミの前に立った。
彼がまだメジャーに旅立つ前、
当時は記者のインタビューにも言葉少なく、マスコミ嫌いで通っていたイチロー。
日本にいた頃とイメージが変わったと多くの人が感じたのではないか。
そんな彼の姿勢を引っ張り出し、
「中田もイチローのようになれば……」
などと意味不明な記事が躍ったこともあった。
だが、イメージなどというものは受け手のただの錯覚に過ぎない。
賞賛を浴びる者、バッシングされる者。
それら全てどこかの人間が手を加えたほんの一部分に過ぎないのだ。

確かに記者も人間だ。
相手から気持ちよく取材が出来れば敵意をむき出しにした記事を書くこともないだろう。
だが、よく考えねばならない。
記者はスポーツ選手の声を取るのが仕事だとしても、
スポーツ選手は記者に喋ることが仕事ではないのだ。
選手はたがために闘うのか。
それを全うするのが選手であり、
それを伝えるのが記者であり、報道なのだ。

中田がどれだけの覚悟を持ってドイツワールドカップ、いや、サッカーと向き合ってきたのか。
語らない将に誰かが付け加えた不要な情報に流されることさえなければ、
それに気付けるはずなのだ。
そう考えれば「みっともない」、「日本の恥」という言葉は
何とも的外れで愚かな発言ではないかと言わずにはいられないのである。


つづく


※※※バックナンバー※※※
[思心]マスコミの品格~中田英寿を通して~1
[思心]マスコミの品格~中田英寿を通して~2
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