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[思心]マスコミの品格~中田英寿を通して~2

 心
~我おもう ゆえに~


不定期にお届けするエッセイです。
単発的に書いた論文とかテーマに絞った雑談とか。

今回のテーマ
マスコミの品格
~中田英寿を通して~ 2


2年前、前身のブログで書いたものを今一度まとめ直し、加筆してアップします。
いまだにブームらしい「○○の品格」に乗っかります。

[READ MORE...] をクリック。



中田の流した涙。
彼の涙を紐解くためには、少なくとも4年前まで遡らなければならない。

2002年トルシエ監督率いる日本代表は中田中心のチームではあった。
しかし、ピッチでは中田中心というだけであって、基本的には『トルシエジャパン』だった。
中田はトルシエの興じるチェスの中で、
与えられた役割に対する責務を全うし、極力『個』を抑えようとしていた。

やがてトルシエが代表監督から去り、『個』を尊重するジーコが就任した。
一度は代表引退を考えた中田が、ドイツW杯に向けて再び代表に帰ることを決心する。
だが、帰ってきた場所は想像とは打って変わって余りにも冷たく褪めきった場所だった。

いみじくも中田は引退して数ヵ月後、
「自分たちでイメージしてやっていくにはまだ早すぎた」
と、テレビ番組のインタビューで語っている。

中田の怒号、苦笑、悔しさ。
それらは本番のドイツワールドカップが始まり、そして終わるまで消えることはなかった。
だが、マスコミはそれを伝えようとはしない。
全ては『中田の独りよがり』と片付けたのだった。

出来ないことは無いはずだ。

事実、ワールドカップ直前のドイツとの親善試合、
ジーコジャパンはそれまでに見せた事の無い最高の試合をした。
全ての選手が連動し、躍動し、ドイツの"巨人"たちをきりきり舞いさせた。
結果引き分けとはいえ、中田自身もそれを心から喜んだに違いない。
そしてきっと、「これなら本番で『戦える』はずだ」と感じただろう。
だが、その『戦い』は中田一人の『闘い』に留まることとなった。

その前兆はドイツ戦後の格下マルタとの親善試合で表れた。
この時、数日前のドイツ戦はあくまでも『幻想』だったのだと思い知らされる。
格上の日本相手に明らかに引いて守るマルタの前に、
日本の武器である"連携"はことごとく封じ込まれた。
その上非常に危ういカウンターを幾度か与えてしまう。
結果こそ勝利を収めたとはいえ、
欧州や南米の強豪が守勢できた格下を相手に勝つものと比べ、
その内容は攻守ともにチグハグで、明らかに試合の質が異なっていた。

中田は焦ったはずだ。
もう本番だというのにこんなザマでは世界を相手に出来ないと。
先のインタビューで中田はこうも語っている。
「出来る時と出来ない時があって不安定。精神的に上がりきれていない」
つまり、ジーコによって自由を与えられた日本の一番の敵はメンタルだったのだ。

……そして結果は見るも無残なものだった。

4年前出来ていたことが出来ない。
型にはめられたままでは世界の一定レベルまでは辿りつけても
それを乗り越えてゆく事はできないと4年前トルシエ体制で知った。
そして今度は個人を尊重してくれるジーコ体制の下、
日本の良さ、持ち味が最大限に発揮されるはずだった。
それなのに……。
肝心な場面で綻びを見せた精神力のモロさによって、
日本は世界の一定レベルにすらたどり着けなかった。
そしてそこから這い上がるための『組織』を与えられていなかった日本代表は、
ワールドカップという本番の最中、空中分解するのだった。

日本サッカー界やマスコミは、トルシエの残した遺産までも"負の遺産"と決め付けた。
Jリーグのクラブや日本サッカー協会と肌の合う、
世界的にも名の通った代表監督を招へいし、
「"黄金の中盤"を形成できるジーコ新体制!」とマスコミは煽りはやし立て、
組織にがんじがらめにしながらもベスト16に導いたトルシエの遺産から
『何が日本に必要で何が日本に足りないか』を考えないまま
自由という名の幻想や、センセーショナルさだけでジーコを持ち上げた。
それがこの結果につながってしまったといっても過言ではないのかもしれない。

組織を捨て、自分達で築き上げ、万全の体勢で望んだはずのドイツW杯は
選手達、いや日本の全ての人にとって4年越しで気付いた4年前の財産だったのだ。

つづく

※※※バックナンバー※※※
[思心]マスコミの品格~中田英寿を通して~1
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テーマ : エッセイ
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